relyon plasma GmbH

リライオンプラズマ社

レーゲンスブルクに本拠を構える relyon Plasma GmbH は、革新的なプラズマデバイスおよびプラズマシステムの開発を行っています。産業・医療用の自社製品の開発と並行して、表面洗浄・表面活性化・殺菌を目的とした効率的なプロセスソリューションの開発にも取り組んでいます。

ピエゾブラシPZ3-MDプラズマ照射器

一般医療機器  医療機器届出番号 14B1X90003RP0001

ピエゾブラシ PZ3-MD プラズマ照射器は、ピエゾ直接放電技術を利用して低温プラズマを発生させ、素材表面に照射することで、親水性や接着性を向上させます。本装置には圧電直接放電(PDD)技術が採用されており、50°C以下の低温で活性化プラズマを生成します。

仕様

  • 消費電力:18W
  • 電気接続:110V~240V / 50Hz~60Hz
  • 動作音:45dB(音圧レベル)

セット内容

  • ハンドル本体
  • 収納ケース
  • ACアダプタ
  • 標準モジュール
  • 近接モジュール

標準モジュール

プラスチック、セラミック、ガラス、天然繊維、皮革、織物などの非導電性マテリアルに使用可能です。照射時の適切な間隔は、2mm~10mm程度です

近接モジュール

金属や導電性ポリマーなどの導電性マテリアルに使用可能です。照射時の適正な間隔は、0.5mm~2.0mmです。 

PZ3プラズマ照射器 カタログ

 
PZ3プラズマ照射器 文献

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プラズマ処理とは 


 基材基板の表面にプラズマを照射することで、新たな機能を付与します。  

 

プラズマ処理の効果

  • 表面の活性化及び機能化
  • 接着力の向上
  • 濡れ性の向上
  • プラスチック、ガラス、セラミックス、金属の表面処理
  • ファインクリーニング
  • 雑菌・臭気の低減 

濡れ性の向上

これは表面に塗布されたインク液滴とその印刷結果を示しています。
1滴目は接触角が90°以上と高く、表面で収縮するため均一に濡れません。
しかし、プラズマ処理後は濡れ性が向上し、インク液滴の接触角は0°となり、均一な印刷画像が得られます。さらに、プラズマ処理を施すことで、経年劣化や処理・風化に対する耐性が向上し、インクの明瞭度が強化されます。

プラズマ処理前後の表面エネルギーを比較したグラフです。対象マテリアルは以下の通りです。

  • ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)
  • PA6.6(ナイロン)
  • PMMA(アクリル)
  • PE(ポリエチレン)
  • PP(ポリプロピレン)
  • A-PET(アモルファス・ポリエチレンテレフタレート)
  • PVC(塩化ビニル)
  • POM(ポリアセタール)
  • Teflon/PTFE(テフロン)
  • GFK(ガラス繊維強化プラスチック)

いずれのマテリアルにおいても、プラズマ処理後に表面エネルギーの向上が確認されています。



※ 表面エネルギー値  mN/m(ミリ・ニュートン・パー・メーター) とは、インクやのり・ニス等が、プラスチックや金属の表面にどれだけ接着するか、濡れ性を測る基準です。 一般的に、表面エネルギー値が高いほど、接着性が高い=濡れ性が高いと言われています。 

プラズマ処理前後の引き剥がし力を比較したグラフです。対象マテリアルは以下の通りです。

  • PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
  • ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)
  • GFK(ガラス繊維強化プラスチック)

プラズマ処理後の最大引張強度の向上率は、以下のように確認されています。

  • PEEK:72%向上
  • ABS:132%向上
  • GFK:45%向上 

例:合成樹脂への官能基の付与

オレフィン系の合成樹脂は、表面に極性基※1を持たないため、接着剤やインクなどとの親和性が低い特性があります。
しかし、プラズマ処理によって放出されたイオンや電子が合成樹脂表面の分子の化学結合を切断し、樹脂の種類に応じた親水性の官能基が生成されます。

用語解説

※1 極性基
極性基とは、有機化合物において極性※2を持つ官能基(または原子団)を指します。

※2 極性
分子や化学結合において、正負の電荷の分布が不均一である状態を指します。例えば、水分子(H₂O)では、酸素原子が水素の電子を引き付けるため、酸素が負の電気的な偏りを持ち、水素が正の電気的な偏りを持つことになります。

 PZ3プラズマ照射器の歯科技工分野での活用 

メタルプライマーを塗布する前に、近接モジュールを使用して金属表面をプラズマ処理することで、オペークとの結合を強化し、耐久性を向上させます。これにより、チッピングのリスクを低減できます。 

外部ステインを塗布する前に、標準モジュールを使用して補綴物の表面をプラズマ処理することで、濡れ性を向上させ、より自然な色合いを再現します。 

インプラント体の表面に近接モジュールを使用してプラズマ処理を施すことで、親水性が向上します。
これにより、インプラント体に血液がなじみやすくなり、オッセオインテグレーションの安定性向上が期待されます。 

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PZ3プラズマ照射器の歯科技工への応用 - 接着力の向上

PZ3プラズマ照射器を使用することで、補綴物や修復材料の表面エネルギーを向上させ、接着力を強化できます。
金属、ジルコニア、レジン、セラミックなどの材料にプラズマ処理を施すことで、プライマーや接着剤との親和性が高まり、長期的な接着の安定性が向上します。


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Z3プラズマ照射器の歯科技工への応用 - 補綴物表面の品質と色調の向上

PZ3プラズマ照射器を使用することで、補綴物の表面品質を向上させ、より自然で均一な色調を再現することが可能になります。

  • 表面の濡れ性を向上:プラズマ処理により表面エネルギーが向上し、外部ステインやグレーズ材が均一に広がるため、色ムラを防ぎ、より自然な仕上がりが得られます。
  • 材料との密着性を強化:ジルコニア、セラミック、レジンなどの補綴材料に対して、プラズマ処理を施すことで接着力が向上し、色材やコーティング材の定着が良くなります。
  • 耐久性の向上:表面の改質により、補綴物の摩耗や色落ちを抑え、長期間にわたり安定した審美性を維持します。

PZ3プラズマ照射器を活用することで、補綴物の仕上がり品質を向上させ、より精密で美しい歯科技工を実現できます。


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プラズマ処理によるインプラントの治癒促進と表面最適化 

プラズマ処理を施すことで、インプラントの表面特性が大きく変化し、治癒プロセスの改善が期待されます。処理後のインプラント表面では、以下のような効果が得られます。

プラズマ処理の主な利点

  • 表面親水性の向上により、インプラントと骨組織の接触面積が増加
  • インプラントの初期固定(Primary Stability)の強化
  • オステオインテグレーションの加速により、治癒期間の短縮が可能
  • 骨芽細胞(オステオブラスト)の活性化による骨形成の促進
  • 破骨細胞(オステオクラス)の減少による骨吸収の抑制

臨床的なメリット

  • 治癒プロセスが加速し、インプラントの安定性が向上
  • 従来の治療よりも迅速かつ費用対効果の高い治療が可能
  • インプラントの長期的な成功率の向上


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PEEK材 濡れ性向上 




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